第9回:データ管理と効果測定 ~出展を売り上げにつなげていくために~

目的別に見る効果測定指標

出展の効果については、出展目的によって異なります。第1回「成功の第一歩は出展目的の明確化から!」でお伝えした目的別に見ていきましょう。

まず商談直結型は、獲得商談数と商談獲得単価、受注商談金額が指標になるでしょう。そのため、目標としてこれらの具体的な数値を決定しておくことが重要です。
次にリード獲得型については、獲得リード数とリード獲得単価が指標となりますので、それらの数値を目標としてセットします。もちろん、その後の商談数や単価、受注金額まで確認するとさらに厳密なROIが計測できます。

最後に認知獲得型ですが、一番成果計測が難しいと言えます。しかし、出展後のWEB流入数やソーシャルストリーム数(いいね、Twitterフォロー数など)、広告のPV数などに注目することで、ある程度の効果測定が可能になるでしょう。

売り上げに結びつけるためのデータ管理

第8回「出展効果を最大化するための事後フォロー」で、フォロー施策を実施し、かつその反応によって見込み客を評価・抽出するとお伝えしましたが、この点について効果測定とからめてもう少し考えてみましょう。

事後フォローとして資料ダウンロードやセミナー、WEBページなどにメールで誘導した場合、メールクリックや申込、WEBへのアクセスなど反応の頻度が多いほど、興味関心度が高いと仮定できます。

しかし、申込者やクリック者をエクセルなどで別々に管理していると、「誰がどれだけ反応したのか」がすぐにわからず、有力な見込客を見逃してしまうことにもなりかねません。そのため、まずは「見込み客1人1人の反応履歴」をデータ化し、一元管理する必要があります。

獲得した見込み客のうち、誰がWEBに来訪したのかなどの行動履歴データは、専用のシステムがあれば簡単に蓄積できます。さらに「誰がどれだけ反応したのか」を知るためには複数の申込データを名寄せする必要がありますが、システムで名寄せを自動化することも可能です。名寄せをしておけば、複数の施策に申し込んだ、メールをクリックした、WEBに来訪したなどの履歴で関心度が高いと思われる見込み客を抽出することもできます。

また営業管理システムと連携することで、どれだけ商談に結びついたかなどの効果を測定することができます。マーケティング施策の適正化およびマーケティング業務の効率化の強力な武器となりますので、システムの活用を検討してみてください。

報告書の作成~来年の予算獲得に向けて~

効果を測定したら、来年の予算を確保するためにも報告書を作成し、関係者に報告しておきましょう。報告書に記載すべきものとして、たとえば以下が考えられます。

  • 出展製品・サービスやテーマ、ブースなど
    出展概要のまとめ
  • 目標達成度や商談獲得状況などの成果報告
  • アンケートを実施した場合は、集計結果
  • 来場者の声
  • 事後フォロー施策の進捗や反応の状況

上記に加え、可能であれば獲得した見込み客の属性分析などもあれば、次回出展検討に役立つかもしれません。 さらに、関係者にヒアリングして出展の反省点をまとめ、改善プランなども盛り込むとよいでしょう。

今回のまとめ

効果測定を行うために、獲得する商談数や単価、金額など出展目的に合った目標を定める。

見込み客の反応履歴はシステムを活用して取得し、見込み客の評価・抽出に活用する

今後の出展の為に、出展物や目的、目標、その成果、見込み客の反応など、反省点も踏まえて報告書を作成する。

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